背伸び＊2 (ページ37)

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A

もうすぐでふっかの家に着くみたい。

ふ「ここも目印になるよ」

『うん』

ふ「で、ここの角を曲がったら…」

隣で私に教えてくれてるんだけど、
ごめん、ふっか。
適当に相槌うってました。

私なんにも頭に入ってない…
むしろ景色すら見えてない…

ふ「で、ここ！このマンション。ちょっとわかりずらかった？」

『うん』

ふ「なにーー緊張してる？」

『し…てない』

ふ「ふははははっ、まぁいいや、行こ！」

ふっかはドキドキしてないの？

やーーー
やっぱり帰る、なんてダメですか。

ふ「はい、どーぞ。入ってー」

『おじゃまします…。あ、ふっかの匂いだ』

玄関入った瞬間から落ち着くこの匂い。

ふ「匂いする？臭くない？こうなるってわかってたらもっと片付けたんだけどなぁ。適当に座っててー」

リビングに入ると、本当にふっかの部屋？って思うくらいキレイに片付いてた。

私の部屋より断然キレイ。

『ふっかってキレイ好き？』

ふ「あー、潔癖とかじゃないけど、掃除は好きかなぁ。とくにそこのクレーンゲームで取ったお気に入りぬいぐるみコーナーはホコリたまらないようにちゃんとやってるよ」

『ふぅーん。あれ？クマ美は？』

ふ「クマ美はあっち」

ん？あっち？
言われた方を覗きこめば、寝室で、ベッド横の棚にポツンと置かれていた。

ふ「あそこは特別席だよ。俺の寝顔を眺められるからね」

そう言いながら、ジャケットを脱いでネクタイを緩めてるふっか。

やっぱりスーツ姿のふっかはかっこいい。

ふ「そんな見られると恥ずかしいわ！ちょっとシャワー入ってくるからテレビでも見てて！」

照れながら脱衣所へ行った。

言われたとおりテレビをつけてみたけど、
なんだか落ち着かない。

この家に何人の彼女が来たのかな…とか
余計なこと考えちゃう。

きっとふっかに怒られちゃうね。