背伸び＊2 (ページ21)

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ふっか

電車とバスを乗り継いで遊園地についた。

あちこちからキャーッて声が聞こえて来て
ワクワクする。

すぐに乗り放題パスポートを購入して

ふ『よっしゃ、Aちゃん！行くぞー！』

っていうと、

さっそく目を輝かせて

『あれ乗りたい！』

ふ「いいよ！行こ！」

絶叫マシーンに乗り込み、いざ出発となったら急に恐くなったらしく

『ちょっと、怖いかも』って。

うそでしょ。
余裕そうだったのに。

ふ「手つないどく？」

ちょっと頑張って言ってみたら

『うん、ありがと』

って、俺の手をギュッて握った。

プシューー…

ふ「大丈夫？」

じゃなさそうだけど

『大丈夫… ちょっと1番最初にコレはやばかったかも』

ふ「けっこうヤバかったねーあっ」

ずっと手握ったままだったことに気づいて、思わずパッと手を話したら
　

『手、ありがと』

ふ「おぅ」

ずっと握っててもいいんだけど。

『次はどれにするー？ふっか選んでいいよ！』

ふ「んー、レベル低めのから攻めていこっか！」

『それ、ありがい～！』

それから、また絶叫系をひと通り楽しんで…

『あそこ、入ってみる？』

Aちゃんが指さすとこは
お化け屋敷…

ふ「俺、苦手なんだよなぁ…Aちゃん平気なの？」

情けないけど、マジ苦手。

『うーん、ホラー映画は好きだから平気かも。お化け屋敷自体は入ったことないの！
行ってみようよー』

ふ「マジィ～？？俺腰抜かすかもよ？」

『大丈夫。私が守る！』

なんて言ってた。

それなのに、

入って間もなく『やっぱ怖い』って

俺の腕にギューッてしがみついてるよ。

俺だって怖い。

シャーって冷気が出て来たら

ふ「ぅわぁ～っ、な、なにっなにっ」

『きゃーーーーっ』

って俺の胸の中にスッポリ。

『ふっかぁぁぁぁぁぁ～』

ふ「大丈夫、大丈夫」

ほぼ抱き合ってる状態で足を進める。

おばけなんてどうでもよくなった。
俺は今無敵だ。

ようやく、出口から出ると

『た、楽しかったね』

ふ「うそつけ！」