◇8 ページ8
やっぱり近い。
今は夏服だし、いくら長袖ワイシャツを着てるからとはいえ長袖のセーターは着てない。
瑞稀か傘を持ってくれてるから心配事がひとつ。
「瑞稀濡れてない?大丈夫?」
瑞稀「別に。つかお前いつからそんな優しくなったっけ?」
「え?」
瑞稀「小学生の時こういうのした時、『みずきは男なんだから濡れていいでしょ!』って言われて右半身濡れて帰った覚えあるけど」
そう言えば小学生のとき、相合傘したかもしれない。なんてことを言ったんだ私は。
瑞稀「まあ嘘なんだけどさ」
「はっ?」
瑞稀「あ、でも相合傘したのは覚えてる。けどAはちゃんと今みたいに『みずき濡れてない?』って聞いてくれてたよ」
「嘘つかないでよ!でも良かった…」
瑞稀「それで自分濡れて次の日風邪ひいてんの。バカ?って思ったわ」
「バカって!そこまで言わなくても!」
瑞稀をどつこうとするけど、今雨だ。って思いとどまる。
瑞稀「もうちょいこっち来いよ、濡れるぞ」
瑞稀は私の腰に手を回した。
グイ、っと引き寄せられる。
ナンデスカイマノハ。
瑞稀「風邪ひいたら許さねえからな。あ、バカは風邪ひかないって言うから大丈夫か」
「なにそれ!誰がバカだって?」
瑞稀「A以外に誰がいんのかよ、バカなの無自覚?」
ドキドキして損した。
712人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ski | 作成日時:2019年7月20日 9時