◇4 ページ4
「ねえ、本当にいいの?」
瑞稀「何が?」
「これ」
帰り道。
人通りがなくなったのを確認して瑞稀に問う。
未だ、手は繋がれたまま。
「瑞稀、彼女できなくなるよ」
瑞稀「は?そんな心配?」
「そんな心配って…」
瑞稀「別にいらない」
「好きな人とかは?いないの?ややこしくなるよ?」
瑞稀「…いねえって」
何今の間。
すごいモヤモヤする。
いるんたよねやっぱ。
じゃあこんなことしてちゃダメじゃん。
「やっぱやめようよ」
瑞稀「自分のために俺が犠牲になってるって思ってんの?」
思ってるよ、そりゃ。そう言おうとするけどその前に瑞稀が喋り続ける。
瑞稀「俺も合コンとかそういうの誘われなくて済むじゃん、俺にとっても好都合っつってんの」
瑞稀は優しい。
こうやって気を使ってくれる。
早く彼氏つくらなきゃ。
まず、好きな人つくらなきゃ。
それで瑞稀を解放しないと。
「瑞稀の好きな人って誰?」
瑞稀「ねえ、人の話聞いてた?いないって言ったよね」
「いるんでしょ?幼馴染なんだから、嘘ついてる事くらい見抜けるっつの!」
瑞稀「…じゃあ気付けよ」
「え?」
瑞稀「…やっぱなんでもない」
意味わかんない。
私の知ってる人ってこと?
712人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ski | 作成日時:2019年7月20日 9時