シークレットラブ【Mizuki.I】 (ページ23)

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な！ん！で！
なんで素面でいられるんだ井上瑞稀。

我が幼馴染ながら全くわからない。

朝の事が無かったことにされてるみたいで軽くショックを受けてる自分にショックを受ける。
どんだけ好きなんだ。

放課後。普通に私達は手を繋いで帰り道を歩いてる。
避けられるかな、とか身構えてたけど
全然お構い無しの瑞稀。いつも通りすぎる。

…いつも通りとかいいながら
手を繋いでるのが少し前からしたらいつも通りじゃないんだな。

「瑞稀」

瑞稀「ん？」

「私、学校に忘れ物したから取り行くね。先帰ってて」

なんて、嘘。
こんなしょーもない嘘をついて何になるんだろ。
ただ、知りたいだけ。

瑞稀は私と一緒に学校に戻ってくれるのかな、っていう心の底からしょーもない疑問。

ついてきてくれるなら、もう少し頑張ってみようかな。っていう賭けでもあるかも。

試すみたいになっちゃう気はする…けど。

なんかこういう映画あった。

女の子がこうやって男の子を試す、みたいな。

これでついてきてくれなかったら諦める、みたいな。

瑞稀「何忘れ物してんだよ、つか俺もついてくに決まってんじゃん。ほら行くぞ」

…瑞稀。ああ、やっぱ好き。

「やっぱいいや、帰ろ！」

瑞稀「は？なんなんだよお前」

「へっへへー。大した忘れ物じゃなかったからさ」

瑞稀「いいの？帰っちゃって」

「いいの！お腹空いた、早く帰ろ」

瑞稀「意味わかんねー。いいんならいいけど」

これだから私は瑞稀を嫌いになれない。好きじゃなくなれない。