◇17 Hidaka ページ17
負けた。そう思った。
ずっと前から分かってた。
西野と井上がお互いを好きだってこと。
ずっと西野を見てた俺だけじゃなくて、
周りも知ってる。
周りはきっともどかしくて仕方なかった、そのレベルかもしれない。「早くくっつけ!」そう思ってた奴らはすごい多いと思う。
高校に入った時から西野と井上はずっと一緒にいた。
何をするにも一緒、というよりは
ベッタリ一緒にいるんじゃなくて
ここはお互いの友達と行動、
ここはふたりで行動、
みたいに、節度を守ってるっつーか、なんつーか。
それくらいお互いを分かりあってるんだと思う。
今日の朝、西野の首に赤い跡がついてたのがちらっと見えてしまった。
髪で隠れてたからそんな長い間じゃなかったけど、ほんの0.1秒くらい。
浮所「あー、しんど」
西野は俺の事を「浮所」と呼ぶ。
ほかの男子には「○○くん」なのに。
少しは距離、近かったかな。
でも井上のことは、幼馴染だからってのもあるかもしれないけど「瑞稀」だ。
失恋ってキツイんだな。
そう思いながら人の出入りが少ない校舎に向かってフラフラ歩いてたら声が聞こえてきた。
聞き間違えるわけない、西野と井上の声だ。
つい気になって近寄ってみたけど
近寄るもんじゃなかった。
自爆。
壁ドンしてんじゃん。
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長らく更新おまたせして申し訳ございません。
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作者名:ski | 作成日時:2019年7月20日 9時