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平野「俺さー、最近変な夢見んだよ」
永瀬「変な夢?」
ミキ「ねえAの話するんじゃなかったの?
Aの話じゃないなら帰るけど」
サトウはA意外の人物に見事に興味が無いらしい。
俺の夢の話くらい聞けっつーの。
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平野「Aが出てくる夢」
ミキ「Aが?」
やっぱり、Aの名前を出すと
食いつき具合が違うな。
平野「高校の時の夢でさ」
酔いつぶれて寝てしまった時に見た夢を思い出す。
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平野「俺らの出会いから描かれてて、
あの時と全く一緒なんだよ」
ひとつも相違点が見つからない、あの夢。
平野「Aとサトウが教室に入ってくるところも、廉が転校してきて無愛想だって言われるところも、盗撮が続いてAがキレるところも、俺らがアイス奢るところも」
廉もサトウも最初は「コイツなんの話し始めるんだよ」みたいな空気だったけど、
俺の話を聞くと表情を変えた。
平野「サトウがチケット4枚持ってて水族館行くところも、Aが居なくなってナンパされるところも、Aがイルカショーで濡れて俺がジャケット貸すところも」
何も変わらない、1文字も喋っている言葉が変わらない夢。
Aと再開した途端に始まった夢。
平野「まだそこまでしか見てないけどな」
なんか、あの夢にはメッセージがあるような気がした。
平野「でも感情はあの時のまんまなんだよ、今の俺じゃない」
起きて気づく。
あれは夢だったんだって。
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ミキ「予知夢…とは違うかもだけど、その夢には絶対何かある。例えば…」
永瀬「Aがいなくなった理由のヒントとか手がかりとか、あるんちゃう?」
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作者名:ski | 作成日時:2020年3月26日 21時