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迎えた金曜日。
永瀬「よく1日で治ったなあの腫れ具合。
目にタンコブできとったやん」
平野「掘り起こすなよ!
今日までに治ったんだからいいだろ!」
しかもタンコブは大袈裟だろタンコブは!
ちょっと腫れてただけじゃんかよ!
俺だってちゃんと『目の腫れ 対処法』って
調べて暖かいフェイスタオルと保冷剤をくるんだタオルとで
代わりばんこに目に当ててなんとか腫れを引かせたんだし?
平野「廉、どうやってAとメシ行く約束取り付けたんだよ」
永瀬「失礼な態度取ったのでお詫びも兼ねて
美味しいピザ専門の店知ってるから
ご馳走させてください言うたらケロッとOKでた」
ふーん。ふーん。ふーん。
高校の時も思ってたけど、
人を疑わない純粋な無防備なやつだ。危険すぎる。
永瀬「人を疑う心を持った方がええな」
そんなことを廉と待ち合わせの店の前で話していると、
前方から猛ダッシュで走ってくる女性が見えた。
Aだ。この距離でも分かる。
平野「ヒール履いてんじゃねーのかよ」
永瀬「ヒールであんなダッシュしとるってこと?
…アイツ、運動神経だけは良かったもんなー…」
遠い目で見ているともう目の前までAは
来ていた。相変わらず走るのは速い。
「すみません!遅くなりました!」
永瀬「いやあ、全然」
「先にお店入ってても良かったのに!」
さっきまで走ってたから方向が揃ってなかった前髪も、
手ぐしで整えたらしく綺麗に巻かれた前髪が
戻ってきていた。
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作者名:ski | 作成日時:2020年3月26日 21時