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目が覚めた。
見覚えのある天井…家だ。
廉が運んでくれたっぽいな。
廉に家まで運んでもらったのは2回目。
前回はこっぴどく叱られたらもう世話にならない!
って決めたのに、このザマ。
平野「つーか、なんでこんな夢…」
高校時代の夢。
Aとサトウとの出会い、廉との出会い
4人で仲良くなるきっかけ、全部あの時のだ。
すこーしも変な所はない。
怖すぎるくらいあの時の再現。
夢の中での俺の感情は、
当時の俺の感情だったし、余計に謎だ。
携帯を見ると廉からLINEが来ていた。
『マジで許さんからな!なんで俺みたいなもやしがゴリラを運ばなきゃならんねんおかしいやろ!明日覚悟しとけよ!』
『あ、言い忘れとったけどAとのメシは金曜やからな。間違うても泣き腫らして浮腫んでる顔で金曜迎えるのは許さんで』
…なんか、廉の声、廉の話し方で今脳内で再生された。
想像しただけで酒の入ってる頭にはキンキンくる。
そんなことを思いながらも文面から滲み出る
廉の優しさに感謝。
サトウからもLINEが来ていた。
『永瀬から聞いた。ご飯行くことになったんだって?写真、撮って来といてね』
昼の電話からは想像もできないくらい
穏やかな文面に二重人格を疑う。
高校の時は文面までうるさかったのに。
明日が金曜じゃなくて良かった。
絶対明日目腫れてる…。
絶望しながら重い身体を起こし、
風呂へ向かった。
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作者名:ski | 作成日時:2020年3月26日 21時