ヒーローは、アナタ。2【K.Y】 (ページ39)

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「あ！上がった！」

後夜祭の始まりを告げる花火が打ち上がる。
本当は後夜祭の終わりに打ち上げたいらしいんだけど、
後夜祭の終わりに上げるには時間がちょっと遅すぎるらしい。

ご近所にも迷惑かかるし。

「すごい！ほんとによく見える！」

真正面に打ち上がる花火を指さしながらはしゃいでいると、
横から視線。

「…なんですか？」

「…ううん」

「花火見ないんですか？ほんとにここすっごいよく見えますね！」

「…」

「…なんか顔についてます？」

ずーっと優太くんが私の顔を見てくるから何かが顔についてるのかと思って自分の顔を触る。

「そうじゃなくて」

私が顔を触る手を優太くんが止める。

「俺…さ」

何この表情。
優太くんのこんな顔、見たことない。

「やっぱAちゃんが好き」

「…えと」

「それだけは覚えといて欲しい。さっきみたいなこととか、ああいうのはこれから無いよにする。絶対。優しくするのは、Aちゃんだけ」

なにこれ
なんか
すっごい大事にされてる、みたいな
ドキドキする。

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FIVE SECONDS 【N.R】

新作です。
転校生永瀬くんのお話。