ヒーローは、アナタ。2【K.Y】 (ページ29)

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「岸さん、ですか？」

全く聞いた事のない声がして顔を上げると
全く見た事のない女子がいた。
靴紐の色からしてAちゃんの同級生。
かなりお化粧が濃いようで。

俺のタイプではない。

「私、浅井薫です」

聞いてもないのに自己紹介した目の前の女の子。

「岸さんって、Aの彼氏さんなんですか？」

「え…うん…まあ」

「ですよねえ？あーゆー子がタイプなんだあ」

「あー…あーゆー子がタイプっていうよりあの子が好きだからあんまタイプとかじゃないかな～」

「わーぞっこんですね」

「あはは、で…ごめんなんの用っすか？」

「用っていうか」

なんか距離が近い。
気のせいか？

「私、岸さんみたいな人がタイプなんですよ」

「…ん？」

どんどんジリジリ迫ってくる。
その迫力に負けて1歩ずつ下がってしまう。

「Aに生まれたかったな～」

「…なんで？」

「言わなくても分かりますよね？」

返答に困ってるその時だった。

「あ！いたいた！岸さん！」

久しぶりに聞く元気な声。

「探しましたよ～」

「永瀬くん、」

永瀬くんが俺を探す理由ってなんだろう。