ヒーローは、アナタ。2【K.Y】 (ページ31)

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「A、永瀬知らない？」

愛莉は食器をさげながら私に聞いた。

「知らないけど…いないの？」

「いないの！サボりやがって」

「私探してくる」

「え、Aまでいなくなっちゃったらお店回んない」

「大丈夫回る」

「ねえ！Aもサボりたいだけでしょ！」

愛莉の声を背中で聞きなが廉を探す。

「ねえねえ、廉見なかった？」

「永瀬？あ、みたみた！なんか中庭で男の人とベンチで座って話してたよ？なにあいつサボってんの？」

「そう！サボってんの！ありがとね～！」

廊下にいた同級生に聞くとすぐ答えが返ってきた。ナイス。

一緒にいる男の人ってだれだろう。

2階から下を見下ろすと中庭で優太くんと廉がベンチに座って話してるのが見えた。

優太くんか。

階段を降りて校舎を出ると
少し肌寒い風が吹いていた。

「おーふたりさーん」

「わ、A」

「そーんなお化けみたいな扱いしないで」

2人のとこにいくと2人ともびっくりした顔で私を見た。

「廉、サボんなって愛莉がナマハゲになって怒ってるよ」

「嘘やろ俺戻れへん」

「戻るの！戻んないと愛莉ほんとにナマハゲになっちゃう！」

こうやって愛莉をナマハゲ呼ばわりしている私も怒られそうだけど。