ヒーローは、アナタ。【K.Y】 (ページ43)

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「廉機嫌悪い？」

「別に悪ない」

「絶対悪いよ、もしかして機嫌っていうより体調？熱ある？」

「うるせえ」

「うるせえ？人が心配してるのに？」

「ほんまにうるせえ黙れ」

「…なによそれ」

いつもとは違う喧嘩が廉と始まりそうになった時
正確に言えばこのまま喧嘩すればもう仲直りできなさそうな喧嘩を今からするって喧嘩をする前からわかってるくらい嫌悪な空気が漂いはじめ
みんなの視線を集め始めたとき

平野が止めてくれた。

「2人とも落ち着け！ここ学校やろ喧嘩するなら家でやれ！家となり同士やろ！」

私たちが言い合う声よりも平野が私たちを止める声の方が大きかったと思う。
一瞬で私たちもみんなも静まりかえった。

ガラガラ、と大きな音を立てて教室に入ってきた先生は目を白黒させてる。

でも、私と廉が向かい合ってるのをみて何か薄々先生なりに察したらしい。

先生は私と廉が痴話喧嘩でもしたと思ってる。おそらく。

「高校生のうちは健全にいけよ健全に～。なあ永瀬。あんま責めすぎんなよ～後で痛い目みるからな。佐伯も嫌な事は嫌ってちゃんと言えよ～」

痴話喧嘩じゃないっつの。

先生がこういうこと言っちゃっていいの？

…みんな笑ってるけど

「席つけー」

先生のがそう言うと廉は私にイヤホンを投げつけて自分の席に戻っていった。