ヒーローは、アナタ。【K.Y】 (ページ27)

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シアターを出る時辺りを見渡すと廉と平野が寄り添いあってぐすぐす泣いてるのを見て鳥肌が立った腕をスリスリさすりながらリュックを背負った。

これが身内じゃなかったら2人の顔面偏差値を見てBL大歓迎！とかなっちゃうんだろうけど幼馴染と同級生じゃそうはいかない。

「ハンカチ、洗って返すね」

「いえそんな！気にしないでください！」

「絶対洗って返すから！洗ってからじゃないと返さないから！」

優太くんは私のハンカチを自分のリュックにねじ込んだからお言葉に甘えて洗ってもらう事にした。

「お昼ご飯どうする？お腹空いたよね」

「空きました…」

「どうしようねえ…あ！ドーナツ屋さんある！」

「あ！私あそこずっと行きたかったんです！」

「そうなの？俺も！あそこにする？」

「しましょしましょ！」

優太くんと私が言ってるドーナツ屋さん
とは、少し高級なドーナツ屋さん。
最近よく雑誌で取り上げられてる。

「…愛莉」

「え？」

「愛莉が…」

「愛莉ちゃん？どこ？」

「愛莉が…ラ…ホテルに入っていきました…」

「え！？ホテル！？今日デートなんだよね！？え！？」

足取り軽くドーナツ屋さんに向かおうと思った時に視界の端に入った愛莉。
まさか…と思いながら目をやると同年代の男子とラブホに入ってくところが見えた。
でも優太くんには「ラブホ」っていうワードを話したくなくて「ホテル」って濁したけど

優太くんは分かってる。