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「岸さん、お仕事大丈夫なんですか？」
「だーいじょーぶ！丁度ね、Aちゃんの部活が終わる時間と俺のシフトが終わる時間が同じだったの。だから勤務時間外だよ、Aちゃんに勉強教える時間は」
てことは、
岸さんはいつもなら帰れる時間にわざわざ残って
お金も払われないのに私に勉強を教えてくれるってこと？そんなの悪い…
「岸さん…私やっぱり」
「だから気にしないでってー。俺がしたくてしてる事だから」
なんていい人なんだろう。
「なーに教えて欲しい？」
「数学です」
「高校何年生？」
「2年生です」
「2年か…この時期何の単元やってたっけ」
岸さんにノートを見せると「あー！ここか！」って納得してた。
「俺ここの単元の時寝てたなー」
「寝てた？寝てたんですか岸さん」
「寝ちゃうでしょー、だってここつまんないもん」
「数学は全般つまんないです…」
「わかる」
数学どころか勉強全部つまんない。
廉にあんな偉そうな事言ったけど
若干私も人の事を言えない所はある。
もちろん赤点まではいきません。
「あれ？岸さんてもしかして西高の卒業生ですか？」
「そう！なんでわかんの！？」
「…学校によって単元進める順番って違ったりするのかなー。って思ったので」
「あー！なるほどね！頭いいAちゃん！」
頭いいなんて言われなれない…
「だからね、その制服すっごい懐かしい」
私の着ている制服を懐かしそうに眺める岸さん。
岸さんは
この制服を着てた誰かに高校時代、
恋をしてたのかな。
そう思うと胸が少し痛くなった。
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作者名：ski | 作成日時：2018年8月27日 20時
