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夜ご飯はすき焼きになった。
言うほど手は込んでない。
外がこんな状態で買い物に行けなくて
足りないものを買いに行けなくて
家にあった野菜と、特売の日に買ってたすき焼きのお肉ですき焼きをする事になった。
「今日お父さん遅いから丁度良かったわ〜、どんどん食べてね〜」
「いっぱい食べまーす」
言葉の通りいっぱい食べてくれる廉。
廉とうちで夜ご飯なんていつぶりだろう。
すっごい久しぶりな気がする。
「そういえばお姉さんってどこてバイトしてるんすか？」
「駅前の喫茶店。時給が高いから」
「喫茶店でバイトしてるっておしゃれっすね」
本当はお姉ちゃんはコンビニかファミレスでバイトしたかったんだけど、コンビニもファミレスも怖いからやめてってうお母さんの偏見で
駅前の小さい喫茶店ならいいよっていう話になった。
時給も高いし一石二鳥！らしい。お姉ちゃんによると。
昨日初めて会って今日また会った岸さんを思い出して何故か胸が少し高鳴って
それを誤魔化すようにコップに注がれるお茶を飲んだ。
さっきのココアとは正反対に冷たいお茶が喉を通っていくのが良くわかる。
「A、あの傘誰の？見たことないけど」
お母さんが記憶を探ってる。
「店員さんが貸してくれたの。貸してくれたっていうか、くれた？」
貸す
とは言ってなかったよな…
もらってください
みたいなこと言ってたよな…
持ち主が取りに来る事はきっとないから
ここにあっても捨てるだけ
だからもらってください
って言ってたよな…
それをお母さんに話したら
「何かお礼しなきゃよねー、何がいいと思う？廉くん」
「菓子折りっすかねー」
どこまでもお節介。
お母さん、廉を巻き込むな。
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作者名：ski | 作成日時：2018年8月27日 20時
