097 ページ4
.
「…知ってどうすんの？」
すぐ、離れてそう言うと、少しだけ困った顔になったA。
「ズカズカと入っていけるような問題じゃないことも、分かってる」
「…うん」
「簡単に聞いたら駄目なことも、分かってる」
「…うん」
「…………でも、」
「…」
「………辛そうな勝利くん、見るのが辛い」
今にも消えそうなくらい小さな声で俯きながら呟いた言葉に、不覚にも動揺してしまった。
……どうして、
前までの俺なら、話を聞く以前にすぐ拒否して部屋から追い出してただろう、でも。
「言ったとして、俺が助かる？」
「…分からない」
「変わんない、言っても言わなくても」
「………」
「だって、葵は戻ってこないんでしょ」
「……」
「もう居ないじゃん、逢えないんだろ？それなら、葵にもう1回逢わせて、連れてきて、ほら、出来ないだろ？」
思わず取り乱してしまう。
止まらない、止められない、葵の事になるとどうしても駄目だな、
「葵は何処なんだよ、なんで死んだんだよ、分かんないんだよ俺」
「…大丈夫、」
「………何が」
「大丈夫、……だから」
そう言って、いきなり優しく包み込むように、俺を抱き締めた。
次第に、背中をさすって優しく、優しく話しかけた。
「…落ち着いて、」
「………なんで」
「…ん？」
「………なんでそんな俺に関わるの」
俺に関わったって面倒臭いだけだし、俺優しくなんてしたことないじゃん。
なのになんで、そんなに
調子狂わせてくんの？
それから数分不思議と、落ち着いた自分がいた。
「…落ち着いた？」
「…」
「…ごめんね、話したくないなら話さなくていいよ。」
「…」
「無理に、さ。聞くのもあれだし」
「…数年前のことだけど」
「え？」
「…いいよ、話す」
心許してる自分が、好きじゃない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1220人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊。薔薇色。＊(プロフ) - 第2章も楽しみにしてます！第1章が幸せな終わり方だったので、第2章で健人くんがどう動くのか凄く気になります！応援してます＾＾ (2017年8月12日 19時) (
レス) id: 957a016e5f (このIDを非表示/違反報告)
ずみこ。(プロフ) - ＊。薔薇色。＊さん» 有難うございます！第1章がそろそろ終わって、第2章へと突撃するつもりです！ぜひ着いてきてくださると嬉しいです！更新頑張りますね！ (2017年8月12日 1時) (レス) id: 9d6691450a (このIDを非表示/違反報告)
ずみこ。(プロフ) - みーちゃんさん» 有難うございます！そろそろ長かった第1章が終わります！話はまだまだこれからなので是非そこでも見ていただけると嬉しいです！更新頑張りますね！ (2017年8月12日 0時) (レス) id: 9d6691450a (このIDを非表示/違反報告)
＊。薔薇色。＊(プロフ) - とっても、面白いです！続きがとっても気になります！更新頑張ってください＾＾楽しみにしてます！ (2017年8月11日 16時) (レス) id: 957a016e5f (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃん - とっても面白いです！！！更新頑張ってください！続き楽しみです！！！ (2017年8月10日 22時) (レス) id: e3b44cf0ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ずみこ。 | 作成日時：2017年7月22日 21時
