Prologue.5 ページ5
「ここは…？」
「本来ならば、入学者はここの部屋からゲートを通って外と行き来するのですが…。あなたのように別の場所から突然現れる人は初めてですよ。」
私は中央にあった大きな鏡の前に立たされる。何をするのかと思いきや、突然鏡の中に顔が現れた。
「ひっ…！？」
「汝の名を告げよ」
(えええ話しかけてきた！？…ていうかこの声、どこかで聞いたような…)
「あ、えと…Aです…。」
「汝の魂の形は……」
しばらく鏡の中の顔が考え込んだ後、きっぱりとこう言った。
「わからぬ。この者からは一切の魔力の波長を感じない。色も形も一切の無である。」
「………はぁ。やはりそうですか。
全く…ありえません！！闇の鏡に選ばれた者しかこの学園に入学することはできないというのに…！一体何が起こっているんです！」
またぶつぶつと言い出した学園長に、今度はジャミルさんが声をかける。
「しかも、今日は入学式でもなんでもないですよね。なぜ突然スカラビアに魔法を使えない一般人が転送されたんだ…？」
「…そうなんですよねぇ…はぁ。とにかく魔法が使えないならあなたをうちの学校に入学させるわけにはいきませんよ。
しかし、かといって、あなたのような身寄りのない未成年を放り出すこともできません。私優しいので。」
「監督生と一緒にオンボロ寮に置くのはどうですか？」
「ええ、ひとまずそうしましょう。あなたも監督生の位置づけにします。ユウさんと協力してグリムさんの世話や学園のお手伝いをしていただきますよ。」
「…ええっと…。よくわからないけど、分かりました…。帰り方もわからないので、しばらくここに置いていただけるのであれば何でもします！」
「はいはい。お願いしますよ。まぁユウさん一人じゃ人手不足なところもあったでしょうし、丁度いいんじゃないですかね。きっと彼女も喜ぶでしょう」
そして、わたしはオンボロ寮という場所で、もう一人の監督生ユウさんと一緒にしばらく生活させてもらえることになった。
「では、わたしはこれで失礼…」
「待ってください、ジャミル・バイパーくん。」
話がひと段落して帰ろうとしたジャミルさんを、学園長が引き留めた。
「もう夜も遅いですから、彼女をオンボロ寮まで連れて行ってあげてください。」
「……は？なんで俺…いや、私が？」
「私は仕事に追われて手が離せないんです。君なら飛行術ですぐオンボロ寮まで行けるでしょう？あとついでに彼女に色々教えてあげて下さい。」
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リオ - 更新頑張ってください！ (2021年2月27日 14時) (
レス) id: af465deb02 (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白いです！私はカリムとジャミルが大好きです！更新頑張って下さい！ (2020年12月12日 16時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らの | 作成日時：2020年11月8日 19時
