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『自分のことを誰も何も知らない、全てが真新しくて何のしがらみもない…そんな自由な世界に俺も行ってみたいよ』
…あんな意味深に言われたら、嫌でも気になってしまう。
まぁ、新しい地で人生もう一度やり直してみたい的な意味なら分からなくもないけど…
ジャミルさんみたいに容姿も整ってて、魔法も使えて、お金持ちのカリムさんの優秀な従者っていう将来安泰ポジにいる人が何故そう思うのかが分からない。
特別病んだり疲れているようには見えなかったけど、もしかして何か過去にあったのかな…
「……い、……おーい…」
『君と俺とじゃ育った環境が違うから…』的なことも言ってたけど、お金持ちの環境で育つとそういう考え方になるものなのかな？私みたいな庶民じゃジャミルさんを理解することなんて…
「…ちょっとA？聞いてる！？」
「わっ！あ、ごめん、ユウ！…何か言った？」
「もー、次飛行術の授業だから、運動靴持って行かないとダメだよ」
「え⁉あ、そうなの⁉ 忘れるところだった〜…ありがとう！」
あはは、と苦笑いする私の顔をユウは心配そうに覗き込んでいた。
「どうしたの？A。ボーッとして。」
「オマエ、朝からなんか変なんだゾ。俺様が話しかけても聞いてんのか聞いてないのかわかんねーし、反応が薄いんだゾ」
「ご、ごめんごめん…ちょっと考え事してて…。」
「考え事？」
「うん…今朝のことなんだけど…」
私は今朝あったことを簡潔にユウに話した。
「…というわけなんだけど、どういう意味だったんだと思う？」
「…あー、それは多分…」
「え！ユウ分かる？」
「多分…だけどね。ほら、この前ジャミル先輩がオーバーブロットしたって話したでしょ？」
「あー…なんか自我を失って暴走するっていうやつ？」
「そう！…ジャミル先輩がそうなったのは、カリム先輩のせいでもあるんだよ」
「えっ？カリム先輩が？どうして？」
「詳しく話すと長くなりそうだから端的に言うと…カリム先輩の従者であることがストレスだったというか、疲れたんだと思う。本人は嫌でも、家柄上逃れることができないから…。」
ジャミルさんが、カリム先輩の従者であることを嫌がってる…？
そんな風には見えなかった。むしろお互いに親友みたいに息があってる気がしたし…嫌々カリム先輩に仕えてる感じもなかったけど…。顔に出さないだけで、内心不満があるのだろうか。
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リオ - 更新頑張ってください！ (2021年2月27日 14時) (
レス) id: af465deb02 (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白いです！私はカリムとジャミルが大好きです！更新頑張って下さい！ (2020年12月12日 16時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らの | 作成日時：2020年11月8日 19時
