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ということは…やっぱり少しは申し訳ないと思ったということだろうか。
「まさかこんなに頑張ると思わなかった。俺が途中で入らなければ、君は本当に最後まで手洗いするつもりだっただろう？」
「だって…ご馳走頂いちゃったのは事実ですし…それに、ジャミルさんをギャフンと言わせてやろうって思ってましたから！」
「ぎゃふんて……ふっ…ははは！！やっぱり、君が刺客だなんてあり得ないな」
さっきはしおらしくなったかと思いきや、次は声を上げて笑い出した。そんなに面白いこと言っただろうか？
「そもそも、君が人間のフリをして嘘をつけるほど器用に見えないしな」
「…なんか馬鹿にしてますか？」
「いいや、バカ正直さに感心してるだけだ」
「あ、ほらやっぱり！バカって言いましたね！」
余裕そうな顔で言われるのが余計にむかつく。やっぱりこの人ドSだ。疑り深いし、腹の底が知れない。まだ全然掴めないけど……でも、思っていたほど悪い人ではないのかもしれない。
「とにかく安心しろ。もうこんなことはしない。」
「じゃあ…一応、信じてもらえたってことでいいんですね？」
「…あぁ。俺は信じるよ」
そう言ったジャミルさんの顔は、優しく笑っていた。
…月明かりに照らされたその微笑みは驚くほど美しくて、思わず目を奪われた。やっぱり改めて見ると顔がすごく整っている。ジャミルさんのいう「信じる」なんて言葉こそ嘘くさいけれど、こんな微笑みで言われたら、誰だってドキッとしてしまうに違いない。……なんかずるい。
異世界に来て二日目の夜。まだまだわからないことばかりだけど、ジャミルさんのことも、ここの人々や生活、魔法のことも、これから少しずつ知れていけたらいいなと思える日になったのだった。
…それから私達は寮へ戻った。バルコニーにはカリムとユウがいて、私達のことを見つけるなり手を振ってくれた。どうやらいなくなった私たちのことを探してくれていたらしい。
「よかった、Aがしばらくどこにも見えなかったからどうしたのかと思ったよ」
「ごめんね、ユウ。詳しいことは後で話すよ。ところでグリムは？」
「部屋で寝てるよ。私たちもそろそろ部屋に戻って寝る準備しようか？もう夜遅いし。」
「うん！」
「じゃあジャミル先輩、カリム先輩！おやすみなさい！」
ユウがそう言って私の手を引き、バルコニーから出ようとした時、私の反対側の手をジャミルさんが掴んだ。
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リオ - 更新頑張ってください！ (2021年2月27日 14時) (
レス) id: af465deb02 (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白いです！私はカリムとジャミルが大好きです！更新頑張って下さい！ (2020年12月12日 16時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らの | 作成日時：2020年11月8日 19時
