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でも、そんな一言謝られたぐらいで私の怒りは収まらない。
「…謝るってことは、やっぱり自覚あるんじゃないですか。魔法が使えない人間を困らせて楽しんでたんでしょう？」
「はぁ……なるほど。君はそう思ったのか…。」
なぜか納得しているような言い方だった。まるで他人事みたいに私の話を聞いている気がするのは気のせいだろうか。
「…A。少しついてきてくれないか」
「え？な、なんですか急に…」
「見せたいものがある。」
(見せたいもの…？)
ジャミルさんはしゃがんでいた私の手を取って厨房の外へ連れ出した。訳のわからぬまま付いていくと、たどり着いたのはバルコニーだった。しかも、なんとそこにはふわふわと宙に浮く絨毯があった。
私とジャミルさんが絨毯に近づくと、絨毯はまるで私たちに手を振るかのように、ばたばたと激しく動いた。
「なにこれ！？」
「カリムの魔法の絨毯だ。これに乗るぞ」
「えっ、こ、これに！？」
「あぁ。高いところが苦手だと言っていたが、絨毯ならあまり下も見えないし怖くないだろう？」
「確かに箒よりはマシですけど…これに乗ってどこへ行くんですか？」
「すぐにわかる」
ジャミルさんは慣れた手つきで絨毯を引き寄せ、ひょいと軽い身のこなしで上へ乗った。そして私も理解できないまま、それに続くようにして恐る恐る絨毯の上へ乗る。
私たちを乗せて、絨毯は一気に上へと上がっていった。箒よりは安定感もあるし、確かに下も見えないのだが、もし落ちたらどうしよう…と考えると怖くなり目を瞑っていた。また怖がる私の反応を見て楽しむつもりなんだろうか……ますますジャミルさんがわからない。
「おい、いつまで目を瞑ってるんだ」
「だ、だって怖いんです！！」
「大丈夫だ。…ほら、目を開けろ」
「なにもしないですよね！？」
「しないから！」
言われるがままおそるおそる目を開けてみると…
「………わぁ…」
目の前には、まるで宝石をちりばめたような満天の星空が広がっていた。
色も形も様々な星が、雲ひとつない澄んだ夜空に光り輝いている。
「綺麗……」
「この学園は人里離れた離島にあるんだ。だから、夜になると星がこんなにはっきりと見える。」
「すごい…！星がこんなに近い！」
見渡す限り一面に星が光り輝き、それが遠くの方までずっと続いている。こんなに綺麗な星空を見るのは初めてだ。私は夢中で辺りを見渡していた。
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リオ - 更新頑張ってください！ (2021年2月27日 14時) (
レス) id: af465deb02 (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白いです！私はカリムとジャミルが大好きです！更新頑張って下さい！ (2020年12月12日 16時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らの | 作成日時：2020年11月8日 19時
