Prologue.3 ページ3
ジャミルさんが鏡に手をかざすと、鏡が光り出した。
突然の出来事に驚いていると、瞬く間に体が光に包まれ、気がついたときには別の建物の中に立っていた。
「…え、え！？ここどこ！？今のなに！？」
「鏡を使った移動魔法だ。ここは俺たちの通う学校だ。」
「ま、魔法！？ていうかここ学校！？」
「…まぁ後で全部わかると思うから、とりあえずついて来い。」
「は、はい。」
またジャミルさんの後ろについて、長く薄暗い廊下を歩く。窓の外は暗かったが、満月のお陰で電気がついていなくてもほんのり明るかった。
(…というか、雰囲気的に学校というかでっかいお城みたいなんですけど…。)
廊下の豪華なシャンデリアや、所々壁に設置された蝋燭なんかも、どこか古い外国の城のような造りだと思った。少なくとも私の知ってる「学校」ではない。いや、もしかしたらとんでもない金持ち私立学校なのかもしれない。一部の富裕層の子供しか通えないとか、貴族の生まれしか通えないとか…。だとしたら一般庶民の私が知るはずもない。
そんなことを考えながら歩いていると、とある大きくて立派な扉の前で急にジャミルさんが止まった。
そして部屋の扉をノックすると、返事はなかったがその代わりに勝手に扉が開いた。
「なんです、こんな夜遅くに。この時間は外出は禁止されているはずですが？」
「夜分遅く失礼します、学園長。突然なのですが、相談があって参りました。」
「相談って……………はっ」
校長室のような造りの部屋の奥で、椅子に腰掛けていた不思議なマスクをつけた男性が、私を見るなり椅子から立ち上がってこちらに駆け寄ってきた。
「ジャミルくん！！この女の人は誰ですか！まさか君は学園内に女性を連れ込んでいたのですか！？」
「はぁ！？そんなわけがないでしょう！彼女は先ほどスカラビア寮の宝物庫で1人でいるところを俺が見つけました。それで…おそらくですが…」
「……あぁ〜…待ってください。なんとなく分かってしまいましたよ。
はぁ……またですか…。あなたももしかして異世界から来てしまったのですか？」
「い、異世界？？」
「どうやってここに来たか覚えていないのですよね？」
「…は、はい。」
「新入生が入学時に使う移動用の棺が、うちの宝物庫に置いてありました。おそらくそれを使って来たのだと思います。」
「なんですって！？なぜその棺がスカラビア寮の宝物庫にあるのですか！？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 62人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リオ - 更新頑張ってください！ (2021年2月27日 14時) (
レス) id: af465deb02 (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白いです！私はカリムとジャミルが大好きです！更新頑張って下さい！ (2020年12月12日 16時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らの | 作成日時：2020年11月8日 19時
