10. ページ19
「たかがシチューで感動しすぎじゃね?そっちの世界ってそんなにご飯まずいの?」
エースが隣から私とデュースにヤジを飛ばしてくる。
「そんなことないよ。でも私シチュー好きだから!異世界でもシチューの美味しさは変わらないね」
「へーそっちの世界にもシチューってあるんだ。」
「うん!でもよかった。ご飯まで全然違うものだったらどうしようかと思ったよ」
私が苦笑いすると、ユウがすごく納得した顔でうんうんと頷いてくれた。
「こっちのご飯すごく美味しいよね!それに、スカラビアのご飯なんて絶品だよ!」
「そうなの!?ねえ、スカラビアってどういうところなの?昨日ちょっとみた感じ宮殿みたいなところだったけど…」
「ちょっとまて、Aはスカラビア寮に行ったことあるのか?」
デュースがシチューを頬張りながら尋ねる。私はデュースとエースにスカラビアの雑用係になった経緯を説明した。
話を聞くなり、二人とも哀れみの表情で私を見てきた。
「うーーわぁ…スカラビアの雑用係?俺考えただけで鳥肌だわ。」
「僕もだ…。災難だったな。」
「はぁー……昨日会ったばっかりだけどもうジャミルさんが鬼畜すぎて先が思いやられてる…あの人何企んでるのか分かんない…」
「腹の底相当黒そうだよなー。俺バスケ部で一緒なんだけどさ…いっつも練習厳しいし、まじで鬼。」
「バスケ!?ジャミルさんバスケやるの!?」
「やってるよ。しかもめっちゃ上手い。」
「知らなかった。でも確かに運動神経良さそうな見た目してるわ…」
「ジャミル先輩は運動神経もいいが、成績も優秀だし魔法が2年の中でもトップクラスだ。普段はカリム先輩の従者の仕事をしていて忙しいはずなのに…。きっと裏で相当な努力をしてるに違いない。…俺も見習わねぇと…」
デュースはジャミル先輩を尊敬しているらしい。…さっきの授業で当てられた問題を全て間違えていたが、意外と真面目なのだろうか。
「しかもジャミル先輩は最近色々あったせいで性格変わったよなー。本性現してきたっつーか」
「色々?」
よくわかっていない私にユウが小声で耳打ちしてくれた。
「あんまり大きい声で言えないけど…先輩は最近オーバーブロットしたばっかりなんだ」
また知らない単語が出てきて、私の頭は?状態だ。
「オーバー…ブロ…?なにそれ?」
「この学園の生徒は、魔法石のついたマジカルペンを使って魔法を操るのは知ってる?」
62人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リオ - 更新頑張ってください! (2021年2月27日 14時) (レス) id: af465deb02 (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白いです!私はカリムとジャミルが大好きです!更新頑張って下さい! (2020年12月12日 16時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らの | 作成日時:2020年11月8日 19時