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＊
現れたのはデビュー当時からずっと応援してくれていたファンの方だった。
｢どうしてあなたが…。｣
｢どうしてって?それは全部Aちゃんのせいだよ。｣
あたしのせい…?
｢Aちゃんの人気がどんどんあがって、僕みたいな冴えないオタクのことなんか見向きもしなくなったじゃないか!!｣
｢そっ、そんなことないです!!｣
｢嘘をつくなあ!!｣
男が叫ぶと風が一気に強まる。
もしかして、こいつの個性…!?
｢僕は風を操れるんだ。
もしAちゃんが僕と結婚してくれるなら、今すぐに風をやませよう。｣
男はニヤリと笑った。
あたしの返答次第で周りにいる人達の安全が決まる…。
どうしよう…。
｢さぁAちゃん!!僕と結婚しt…ごふぅぅ((｣
言い終わる前に男が吹っ飛ばされた。
そしてあたしの目の前にテレビで見た紅白頭のプロヒーローがいる。
｢遅くなってすまねぇ。大丈夫か?｣
透き通った瞳と目が合った。
あたしの心臓を射抜くかのように、ただひたすらに真っ直ぐ見つめあっていた。
｢だ、大丈夫です…。｣
｢怪我してるよな、ちょっと待ってろ。｣
あたしの足に乗っかっている瓦礫を
優しくどけてくれる。
瓦礫の下敷きになった足は見るに堪えない姿で、
しばらく歩けなさそうだった。
｢デク!!応急処置頼む!!｣
｢今行くよ!!｣
しばらくして、緑色のもさもさ頭のヒーローさんがやってきた。
｢わぁ…、痛そうだね。
すぐに終わるから我慢しててね。｣
彼はあたしの足に優しく処置を施した。
｢これで大丈夫!あとは病院で診てもらってね。｣
｢ありがとうございます…。｣
＊
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作者名：椿姫 | 作成日時：2019年6月1日 18時
