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＊
屋外ライブ当日。
外はとても強い風が吹いていた。
｢風強いね…。大丈夫かな。｣
｢ちょっと心配だね。｣
凛にそう言われ、あたしは止まない風に
胸がざわざわし始めた。
｢Angelさん!!スタンバイお願いします!!｣
スタッフの方に促され、
あたし達はステージの端に移動する。
そして合図とともにステージへと駆けていく。
｢みなさん、こんにちはぁー!!｣
＜＜きゃぁぁぁ
＜＜Angelだぁ!!
＜＜みんな可愛いー!!
｢それでは、聞いてください!!｣
音楽が流れ、あたしは歌おうと息を吸い込んだ。
__瞬間だった。
キィィィイイイン。
突然会場にノイズが響き渡った。
｢なにこれ…。｣
お客さんが不安そうにざわつき始める。
すると、突然突風が吹き始めた。
｢｢｢きゃああああああ｣｣｣
会場にいたファンの方は一斉に逃げ始め、
周辺は大混乱に陥った。
｢A!!早く逃げるよ!!｣
｢わかった!!｣
凛に腕を掴まれ、あたし達はステージから逃げようとした。
風は止むことを知らず、あたりの木やステージのセットを破壊していった。
｢ｯ!?凛、危ない!!｣
あたしはとっさに凛を押し倒した。
｢A!?｣
｢はやく、にげて…。｣
｢でも!!｣
｢いいから早く!!｣
あたしの足には崩れたセットが乗っかっていた。
足が激痛で動けない。
凛は泣き叫びながら後輩に連れられ逃げていった。
ステージに取り残されたのはあたし一人になり、
不安と恐怖で意識が遠のく。
｢やぁ、Aちゃん。
君をずっと近くで見たかった…。｣
｢っ!?あなたは…。｣
＊
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作者名：椿姫 | 作成日時：2019年6月1日 18時
