月曜日21時のヒロインⅡ【R.S】 (ページ15)

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工藤さんの携帯が鳴り、
出てくるね、と外に行ってしまう。

入れ替わるように入ってくる人影。

「Aちゃん、大丈夫…？」

藤原さんの、声がした。

気を遣っているのか、
カーテン越しに声をかけられたから
どんな表情しているのかが分からない。

「藤原さん、すみませんでした。
ご迷惑をお掛けして…。」

「俺は、大丈夫。
撮影も、今違うところやってるから
問題ないよ。ゆっくり休んで。」

「はい……。すみません…。」

「もう、謝らないでよ。
Aちゃん。」

俺、行くね、と藤原さんが出て行く。

何か藤原さん、元気なかったかな…
私が撮影止めちゃったからかな。

どうしようもない不安が襲う。

涙が、出てきた。
プロ失格だ。

.
.
.

結局、その日は私のシーンは
撮影延期ということになり、体調第一！と帰らされる。

少し日が落ちてきて、涼しい風が吹く。
少し、スタジオを覗くと作間くんが
撮影している最中だった。

目が合いそうになる。
きっと私が倒れたことも知ってるはず。

そう思うと情けなくて、逃げるようにその場を去った。

工藤さんからは送ると言われたけど
どうしても1人になりたくて、
歩いて帰ることにした。

明日は休みだから今日はゆっくり寝なさいね、と
お母さんのような声をかけられたけど。

どうしても1人になりたくなくて、
知り合いの経営するバーに少しだけ
寄り道することにした。