《１７９》 ページ34
【XANXUS side】
「…あ？何言ってやがる」
「何度も言わせるなぁ！俺の妹をヴァリアーに入れさせろぉ！！」
俺がヴァリアーのボスの座に就いて少しの期間が経った頃、組織内の幹部は一斉に顔を変えて入れ替わった。
最年少で入隊した何処ぞの王族のガキやら、妙に俺を慕う変態共。
虹絡みであろうことは間違いないその見た目の術師らは俺に忠誠を誓い、この俺が頂点に君臨するヴァリアーへと入隊した。
そして今俺の目の前で当たり前のように吠えるこの男、スクアーロもこの俺に忠誠を誓った男の1人だ。
先程から繰り返し同じ事を吠え続け、その度に目の前のグラスを投げつけてやっていると言うのにこのカスは怯むどころか異常な程に声量が上がり続けている。
この俺に忠誠を誓ったはずなのに黙るよう命じても閉じぬその口に、俺は次第に苛立ちを募らせて行った。
…いや、苛立つのはきっとこのカスの減らず口のせいではないかもしれない。
こいつの口から飛び出した、妹の存在。
俺の憶測と手を尽くして調べ上げた情報が間違いなければそれは、あの時の女の事だろう。
正直今の今まで、あの女の存在を忘れたことは一度たりともない。
何なら目の前のカスを調べ上げた際、家族構成に記されていた1人の��A�瓩箸いμ召僚�に、俺は間違いなく探し求めていた存在であると確信した。
「……会えるのか、あいつに、…」
「あ？なんか言ったかぁ？」
「何でもねぇよ」
どんなに手を尽くしてあの女の実態を調べようと、俺にはあの女を手中に収める術はない。
ましてや今は裏の世界から一歩身を引いた所で生きているというその情報と、これから待ち構えているボンゴレ本部に対するクーデターを考えると、あの女をヴァリアーに入れる事に抵抗があった。
力には絶対の自信がある。あの女を守る事など今の俺にはきっと容易だろう。
それでも首を縦に振らないのは、0.1%でも危険に晒す事をしたくねえから。
�犒撒��瓩箸靴討修�思うのは普通だろうに、このカスは違うのか。
…いや、兄だから、そばに置いておきたいのか。
少しの葛藤の末、俺が選んだ答えは—————
続く (更新停止中)
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作者名：まいたけ | 作成日時：2023年9月21日 21時
