【REBORN!】だいすきお兄ちゃん【４】 (ページ23)

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《１６８》ページ23

「おいおいおい…女連れとはいいご身分じゃねぇかよ」

背後から聞こえる下品な笑い声。
その声に男の子と同時に振り返れば、そこには先程自分たちの前に立ちはだかった者たちが居た。
近く男の子の舌打ちがまた聞こえたかと思えばすぐさま私の手を引こうとするも、既に手遅れだ。

「ッ、クソ…！離せ！」

男の子は軽々と大人に持ち上げられ、握っていた手は無惨に離される。
腕の中で逃れようと暴れる男の子に対し大人達も黙って逃す訳もなく、一つの拳が振り下ろされれば鈍い音が耳に届く。
その姿を目の当たりにした私は、まだ理解が追い付かずただ見ているだけで動けない。
しかし体が硬直している間にも、目の前で男の子の綺麗な顔は大人達の手によっ腫れ上がっていた。

「……な、してよ…

…っにいちゃんをはなしてよ！！！」

一言目の微かな言葉に殴る手は止まり、視線は私に集まる。
大人達に抱えられ殴られていた男の子がその場に粗末に降ろされれば、男の子は力なくその場に倒れ込む。
—————やめろと、搾り出したように小さな声音が耳に届いていたけれど、私はその言葉に対し首を横に振る。
次にはキュッと唇を噛み締めれば、一歩、また一歩と足を踏み出した。

「何だこのガキ…コイツの妹か？」
「どうだっていいだろ。やっちまえよ！」

1人の拳が私目掛けて降ろされた時、それを軽々と躱して見せれば、この場が静まるのがわかる。
唖然としたような大人達を横目に男の子の元へ駆け寄れば、男の子すらも上手く開かないはずの目を丸くさせていた。
しかし今はそんな事に時間を取られている暇はない。腫れ上がった頬に触れると痛みに顔を歪める男の子。
背後ではいまだに唖然としている大人達の姿を確認すれば、私はひとまず男の子を支えながらこの場を後にする選択をした。