【REBORN!】だいすきお兄ちゃん【４】 (ページ15)

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結局兄には何をしていたのかをきちんと話すことができず、逆に兄から聞かれることも無く1週間ほど経っただろうか。
私はその間、タイミングを伺いながらも中々会いにいくことができなかった。
男の子は宣言通り毎日来ていたのだろうか。長い時間私が来るのを待っていてくれていたのだろうか。
そんなことを考えると胸が締め付けられ、中々眠れずにいる日が連日続いた。

「………どうしよう…」

そんな不安と緊張が続いたせいなのか、恐れていたことが起こってしまった。
ひんやりとした感触で目を覚ませば辺りはしっとり濡れていて、少し鼻につく匂いが幼い私の不安をより一層煽る。

「えっと…おにーちゃんくるまえに、かくして……、それから…っ」

湿ったシーツを剥がし、ぐしゃぐしゃに丸めようとした頃には、私の目には涙が浮かんでいた。
ここ最近はおねしょなんてすることなく、兄にも偉いなんて褒められていた矢先の出来事。
せっかく少し兄のように大きくなれたかな、なんて思っていたのに、これじゃ足元にも及ばない。
考えれば考えるほどに〝兄に嫌われる〟という負の感情が私の中を駆け巡り、遂には堪えていた涙を溢れさせた。

「A？起きてんのかぁ？…って、ど、どうしたぁ！？」
「お、おにぃちゃあん…っ！」

何ともタイミングが良いのか悪いのか、軽いノックが聞こえたと思えば顔を出す兄は私を見るなり慌てて駆け寄る。
かくいう私は既に涙を溢れさせていたというのに、兄の姿を一目見れば声を上げて泣きじゃくる。
隠しきれないおねしょの跡は、もうきっと兄の目に入っているだろう。
経緯を察したのか、一瞬の顔の変化を感じれば私の体は強張るというのに、兄は咎めることなく私の体を優しく包んでくれる。

「大丈夫だぁ。泣くこたねぇからなぁ」

少しゆっくりとした口調で繰り返される言葉は、私の涙を少しずつ落ち着かせる。
おねしょで汚れていることなど気にする素振りも無く私の体を抱き上げた兄は、私の涙を指で拭い笑った。

「兄ちゃんなんてなぁ、もうちょっと大きい頃までしょんべん垂らしてたぞぉ？
それに比べりゃAはすげぇすげぇ！」

それが嘘だというのはすぐに察しがついたけれど、兄の優しさが私の不安を一蹴してくれたのには違いなかった。