【REBORN!】だいすきお兄ちゃん【３】 (ページ6)

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【スクアーロside】

「…チッ…また居ねぇ」

キャバッローネからヴァリアーへと戻って来てからと言うものの、Aと顔を合わせる機会がめっきり減った。
食事の時こそは皆が揃うためにAも出てくるが、早々に一人食べ終え食堂を出ていけばその後の足取りが不明になる。
雲所属の隊員にAの行方を聞いても知りゃしねぇし他の幹部もさっきまで居たとしか言わない。
てっきり根回しされてんのかと思ったが、そうでもないらしい。
屋敷の中のどこを探してもAが居た形跡はあるのに姿が見えないことに苛立ちは募るばかりだ。
何度かAの部屋で1日中待っていたけど一度も部屋に戻って来ず、明らかに俺を避けているとしか思えなかった。

やはりあの時のAの変わりようが関係しているのか。
仕方なく跳ね馬に連絡し、意味深な言葉の訳を聞いたものの「Aが話していないなら答えられない」としか言わねぇからムカついて切ってやった。
最後に一つ探していないとすればアイツの部屋だが…。行きたくねぇなんて今は言ってられる状況でもなく、軽く舌を鳴らし、俺は目的の部屋へと向かった。

「……A、いるんだろぉ。出て来やがれぇ」

返事はない。部屋の主は口を開くことをしないが、この部屋にAがいることは気配から間違いないとわかっている。
XANXUSが隠しているのなら早々に俺を部屋から追い出しているだろうが、そうしないと言うことはAが自主的に隠れているんだろう。
姿の見えぬその存在に苛立てば、XANXUSも早くしろと言う目で俺を見てくる。
一体何をそこまで俺から逃げているのか、そこまでするなら勝手にすればいい。

「ハッ…くだらねぇ。勝手にしやがれぇ」

お手上げと言わんばかりに両手を上げ俺は部屋の扉と向き合う。
わざとらしく足音を立てて歩き出せば、ほらなぁ？

「ま…待ってお兄ちゃん…っ！」

ここ最近まともにAと言葉も交わす事ができず、苛立ちが募っていたんだ。
それは俺だけじゃねえというのは、最近のAを見てりゃよくわかるんだよなぁ。