【REBORN!】だいすきお兄ちゃん【３】 (ページ46)

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《XANXUS side》

「ボス、甘いの食べれます？これとかどうですかね？」

最初こそは突然車に乗せられたことに困惑の表情を浮かべていたAだったが、次第に移り変わる窓の外の景色を楽しみ、今は何事もなかったかのようにこの環境に溶け込んでいた。
一体どこから出したのか、Aの手にはいくつかの菓子が転がっている。
これがお気に入りだとはにかむ笑顔は普段の大人びた表情からは想像ができないほどにあどけなさを見せていた。

「要らねえよ。てめぇで食え」

自然と手はAの頭に伸び、陽に照らされて輝く銀の髪をくしゃりと撫でてやれば、Aは少し照れ臭そうに笑っていた。
本当に兄妹かと疑いたくなるほど、似ても似つかぬ2人の雰囲気。
正直髪色以外似てるとは思ったことがないのは、あのカス鮫と目の前にいるAの周りに対する日頃の行いとかもあるのかもしれねぇな。
それならと、半分に割った菓子を一つ俺の前に差し出すA。
その細い手首を掴み自分の方へ引き寄せ菓子を掴む指ごと咥えれば、Aは驚きと恥ずかしさなのか、感情を入り乱れさせながら顔を赤く染め上げていた。

「甘ぇな…」

舌にまとわりつくような甘さは普段から食べ慣れていないからだろう。だがAが気に入っているだけあって味自体は悪くない。
いまだに動揺を見せているAに口を開けて見せれば、きょとんとした顔で俺を見る。

「寄越せ、悪くねぇ」
「はっはい！」

照れ臭そうな顔は一変し、嬉しげに頬を緩めたAは先程と同じように俺の前に菓子を差し出した。
それをまた俺も咥え、今度は指についたカスもしっかり舐め取ってやれば、Aは瞬時にまた顔を赤くする。
百面相のようにころころと変わるその表情は見ていて飽きねぇなんて、柄にもなくその姿に頬を緩めれば、Aは顔をくしゃくしゃにして笑っていた。

愛らしい、なんて、やっぱり俺らしくねぇな。