【REBORN!】だいすきお兄ちゃん【３】 (ページ40)

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《１３６》ページ40

「ちょ、と、どきなさ…っ」
「嫌に決まってるじゃん」

途切れ途切れに紡がれる女の言葉を、私は言い終わらぬうちに早々に二文字で切り捨てる。
女を見下ろす私の視線はきっと相当冷たいものだろう。
負けじと返される睨みに動じる程落ちぶれてはいないため、ただ黙って見据えていれば、先に根を上げるのは当然だが女の方だった。

「A様…その辺にされ…ッ！」
「は？なに？」

私の下で震える女がやっとの思いで助けを求めれば、ようやく周りの女達は口を開き私に制止を促す。
しかしそんなもの聞き入れられるほどに優しい心を持ち合わせているかと言われれば、答えはNOだ。
またもや言い終わる前に私はその女達に視線をやれば、皆が一歩、また一歩と後退り。
本当に、よくこんな度胸でボスや兄達の悪口を言えたものだ。

「ねぇ、お兄ちゃんが何だって？ボスが…XANXUS様が何だって言ったの？」

確かに兄もボスも、沢田綱吉らの守護者に負けたと言うのは揺るぎない事実ではある。
それはどう足掻いても変えることは出来ない事実だから私は否定もしないけれど、私が怒っているのはその後の発言。

「だ、だから…所詮は中学生に劣る、っその程度の人ってことでしょ…！？」

その程度というのを、この女達がどの程度のことだと言っているのかはわからないけれど、明らかに皆を貶しているという事はわかる。
乾いたような音を響かせ再び女の頬を叩けば、自分が貶していた存在である”小娘”からの二度に渡る暴行に腹を立てたのだろう。
私に襲いかかる手が振り下ろされると、手入れされていた女の爪は私の頬肉を抉った。

「さっきから人の顔叩いて…っ！」

続けて今度は女が私に掴みかかると、周りの者達もここぞとばかりに加勢する。
私を羽交い締めにし動きを抑えやりたい放題だ。
皆で私を取り囲み、しまいには土下座を強要する姿はまるで学生のいじめのよう。
その姿にようやく取り繕っていた女達の化けの皮が剥がれたところを見たら、反吐が出るほどの嫌悪に唾を吐く。
吐き出した唾は女の服に。その光景に目の前の女は顔を赤くしていた。