《１３０》 ページ34
《スクアーロside》
「ゔお”ぉおいクソボスぅ！報告書だぁ！！」
ノックも無しに開け放った扉からいつものように飛んでくるグラスに備え剣を構える。
しかし何もないことに拍子抜けしその部屋へ歩みを進めれば部屋の中には項垂れるAと苛立ちに足を揺するXANXUSの姿があった。
何があったのかと思い声をかけようとする前にAが立ち上がり、俺の方へ近づいて来たために今は口を紡ぐ事を選ぶ。
俺の元へ来たAの顔は目元が蒼く明らかに寝不足だというのがわかるが…、何故そんなに怒りを浮かべているのか。
やはり何かあったのかと再び声をかけようとした所で、俺の胸ぐらを掴みAが珍しく低い声で言葉を発した。
「……あと…ちょっとだったのに…、あとちょっとで…」
「な、なんだぁ？どうしたんだぁ？」
「てめぇのせいだカス」
Aの苛立ちを宥めようと俺の服を掴むAの手を離させようとした所で割り込んでくるXANXUSに、俺は素直に疑問を問う。
普通に任務を終わらせ、早々に報告書を届けに来ただけでミスなどしていないはずだ。
それなのに俺のせいにされるとは解せねぇぞぉ。
「…お兄ちゃんが報告書なんか持ってくるから…また書類整理漬けに逆戻りだ…」
アレを見ろと言わんばかりに指差すAの先にあるのは、山積みになった書類の山。
なるほどなぁ。ここ最近の立て続く任務故に書類整理が追いついていねぇのに、新たな書類が来たもんだからキレてやがんのか。
しかしそう言われても、俺がどうこう出来る問題でもねぇからそんな事を言われても困るもんだ。
「………あー…まぁ、頑張れよぉ」
「む、むかつく…！」
「カッ消すか」 「俺も賛成〜」
いつから居たのか、入り口の壁に寄りかかりながら無邪気に笑うベルの存在に一同が振り返れば、AとXANXUSはまた溜息をついていた。
「また書類が増えたぁぁ…」
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作者名：まいたけ | 作成日時：2023年8月3日 14時
