【REBORN!】だいすきお兄ちゃん【３】 (ページ27)

今日:26 hit、昨日:1 hit、合計:3,974 hit

《１２３》ページ27

振り返れば悪戯に笑うボス。
何のことか分からずに首を傾げていれば兄が勢いよく私の肩を掴んだ。

「ってめ、A…！クソボスに何かされたのかぁ！！？」
「え、えぇ？何かって…？」

ボスの言葉も兄の心配も私にはよくわからなかった。
その何かと言うのが抱き締められ眠りについたと言うのであれば確かにされたとは言えるけれど、兄の慌てっぷりを見ればそうじゃないことは予想できる。
質問に質問で返せば、兄は焦った顔して私の体を調べ始め、状況を理解できていない私は抵抗することなくされるがまま。
それでもやはり何も見つからないのか、周りが見えていないのか、私の服に手をかけ始めた時は流石にその手を掴んだ。

「おに、ちゃ、それ服の中っ…！みんな見てるから！！」
「あ！？あぁ…わ、悪ぃ…！」

もはや自分が何をしているのか分かっていなかったようで、私の言葉に凄みを入れて睨みつけた途端に状況を理解していた。
昔こそは自分の肌を見せていても何も思わなかったけれど、この歳になれば兄だとしても見せるのは恥ずかしい。
ましてや意中の相手ならもってのほか。
慌ててはだけた服を直していると、兄も顔を赤く染めているのがわかった。

「…え、はだけ…？」

今は服を捲られただけだと言うのに、何故ここまではだけているのか。
ここに来てようやくボスの言葉と兄の慌てっぷりの意味が理解できた私は、まさかと思いボスを見れば、また悪戯な笑みが視界に入る。
ボスが半裸なのもそのせいだというのか。
記憶を思い返しても眠りにつこうとした所までしか浮かんで来ず、その後の出来事が思い返せない私はその場にへたり込みただ羞恥に身を置くだけだった。

「ま、まさかA…本当にXANXUSとかぁ…！？」
「ちが、…っお兄ちゃん、わたし…」

憔悴しきった顔で言われてしまえば、記憶がない分余計に違うと断言できなくなる。
私は本当にボスと行為に及んでしまったのだろうか。
初めては兄が良かったなんて、正直考えられるわけもなく、今はその行為に及んだという現実に恥ずかしさで頭が追いついていなかった。