【REBORN!】だいすきお兄ちゃん (ページ9)

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あれから無事に飛行機もイタリアへと到着した。
時差が7時間程あるだけあって、普段はそろそろ就寝準備を始めている頃なのにこの地はまだ賑わいを見せていた。
長時間のフライトに少し疲労もあったけれど、なんだかこのまま一日を終えてしまうことに少し寂しさを感じた私は心配する兄を説得して街へ向かうと、懐かしいはずのイタリアがどこか新鮮に思えてくる。

「ねぇお兄ちゃん！次はあっちも見に行こう！」

日本での約束ごとも無事に果たされ、兄の手にはいくつものお店の買い物袋が下げられていた。
私の高まる気持ちは歩みをより一層軽快にし、兄ははしゃぐ私をみてやや呆れながらも仕方ないと言って付き合ってくれる。

様々なデザインの服や靴、煌びやかな装飾品。
日本に留学したからといっても私は元々裏の世界の人間で、そんな装飾品など使用する機会は滅多にないとわかっていながらも、やはり年頃のせいなのかついつい手が伸びてしまう。
そんな私を見越してなのか、兄は私が可愛いと言ったものは全て買ってくれていた。
最初は申し訳ないから要らないと言っていたけれど、10年もの間待たせたお詫びに甘えて欲しいと言われたため、今日だけは存分に甘える事にした。

気づけば空には星が散らばり始め、あたりのお店も次々とシャッターが閉められていく。
そろそろ戻ろうと言われると、まだまだ散策したい気持ちを抑えて頷き私達はヴァリアーの屋敷へと向かった。

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辿り着いた屋敷はむしろ城といった方が似合うほどに大きなところで、圧巻の佇まいに思わず身を縮こめてしまう。
兄は私を見るなり安心しろと言って、昔と変わらぬ手つきで私の頭を撫でてくれた。

屋敷の中へ歩みを進め導かれた先には大きな扉。中から人の気配は感じない。

「ゔぉおおい！帰ったぜぇ！」

見るからに重たそうな扉を軽々しく開け放つ兄は、そう言いながら歩を進めた直後、どこからともなく飛んできたグラスに直撃してその場にしゃがみ込んだ。

グラスが飛んできた先を見れば薄暗い照明の元に一人、男の人が腰掛けているのが見える。

他とは違う雰囲気、感じる威圧。名前を聞かずともわかる。

この人が、兄が一目見てついていくと決めた人だ—————。