【REBORN!】だいすきお兄ちゃん (ページ3)

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プロローグ《３》ページ3

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「おにいちゃん、ほんとうに行っちゃうの…」

「大丈夫だぁ。俺はもっと強くなって帰って来てやる」

心配するなと言っていつもの笑顔でわたしの頭を撫でる兄はそう言っていた。
マフィア学校への入学を決めた唯一の兄。
私たちは生まれてからずっと裏の世界で生きてきたからこそ、いつかはこうなってしまうことも予感はしていた。
けれど生まれた時からずっと兄と共に過ごし生きてきた私にとってそれはあまりにも寂しくて悲しい選択である。

今生の別れではないのはわかっているけれど、今までのように過ごせない、兄のいないこれからに不安を抱けば自然と涙が溢れてきた。
一言、行かないで欲しいと言えば普段は釣り上がっている眉も目も垂れ下がる。
少し困ったような、でもどこか嬉しそうな、こんな兄を見れるのは妹である私だけの特権だろう。

「泣くんじゃねぇ。俺はAを守るために強くなるんだからなぁ。
強くなってAを迎えに来てやるから待っとけぇ」

そう言って私の髪を乱すように撫でる兄の顔はいつになく自信に満ち溢れていて、これ以上引き止めたところで無駄だろう。

「じゃあやくそく。強くなったら、ぜったいぜったい、Aに会いに来て？
それで、会えなかったぶんいーっぱい甘やかしてねっ！！」

ゆびきりげんまん、として絡まる小指。

私は寂しさをぐっと堪え、大好きな兄の背中に向けて大きく手を振って見送った。

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