【REBORN!】だいすきお兄ちゃん (ページ19)

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《１５》ページ19

「…え、また日本に行くの？」

自室、ではなく兄の部屋で頼まれた書類を整理していると、髪から水滴を垂らしながら戻ってきた兄に告げられた一言。
何事かと聞けば、持ち帰ったハーフボンゴレリングが偽物だった為、幹部だけでなくボスも直々に日本へ発つという。
故に、幹部一同の第一補佐である私も強制連行。

「悪ぃが俺の分の荷物もまとめといてくれぇ」
「ん、わかった。適当につめとくね」

その代わり…と言って兄の腕に抱きつき、見上げて甘える私。兄はなんだという顔でわたしを見ている。
こう改めて言葉にしてお願いするとなると、少し緊張してしまう。

兄と再会してからやりたいことは沢山あった。
また稽古をつけてほしかったし、それ以外のことも教わりたい。
入隊してすぐに第一補佐を任されることにはなったけど、実力が伴ってるとは思えないからちゃんと補佐として認めてもらいたい。
けれど仕事だけでなく、裏の世界の人間としてではなく、やりたいこともたくさんあった。

「……また、一緒に…おでかけしよ？」

言った途端に顔が熱を帯びたのがわかる。
恥ずかしくなった私は兄を脱衣所に押し込み扉を閉めれば、その場に座り込んだ。
頬に手を当てると、やはり熱を持っているのがわかる。
きっと今のわたしは顔がゆでダコのように真っ赤に染まっているだろう。

こんなことをしている場合ではない。荷物をまとめなくては。
ひとつ大きく深呼吸をし、扉を支えに立ち上がる。

「うわぁ！？」「ゔおっ、！？」
運悪く扉が開き後ろへ綺麗に転倒。
痛む腰をさすりながら顔を上げれば、兄が心配そうにこちらへ手を差し出していた。
差し出された手を借りれば体は勢いをつけて起き上がる。
けれどその勢いに耐えられず私は兄の体へもたれてしまった。

きっと兄も私がもたれてくるのは予想していなかったんだろう。
踏ん張りがきかずよろめき2人仲良く二次転倒。

それだけならよかったのに。