《１３》 ページ17
結局、ベルさんは途中で会ったマーモンさんと共にXANXUS様の部屋まで案内してくれ、その後頑張れよと言い残し食堂へと向かって行った。
XANXUS様自身は、先程兄も尋ねると言っていたし起きているだろうとは思っていたが案の定で、声をかけたらすぐに返事が返ってきた。
部屋は薄暗い照明がひとつついているだけで、XANXUS様はその奥で書類に目を通している。
「…何の用だ」
視線は変わらず書類に向けられながらかけられた声にルッスーリアさんからの頼まれごとだと伝えれると、無言の圧を返される。
これはわかったということなのだろうか。そう思い部屋を去ろうとすれば、指で私を呼び寄せた。
ついでだと言って近寄る私に数枚の書類を手渡す。その書類には私の配属先が書かれていて、思わず目を丸くした。
「えっ、いいんですか…？！わたしはまだ入隊したばかりなのに…」
「決まった事だ。やる事をやれ」
遮るように言われた二言は、この組織の当主から自分自身を一員として認めてもらえたような気がしてたまらなく嬉しかった。
感情が昂ぶり思わず声を大にした返事をすると、うるさいと睨まれた。
気を引き締めようとしても、頬は緩みに耐えられなくてニヤついてしまう。
「XANXUS様……いえ、ボス。
必ずや、ボスの判断は正しかったと思って頂けるよう、私の命ある限り尽くす所存でございます」
わたしはまだ、”XANXUS”という人がどのような人かはわからない。
これから知っていくつもりではあったが、兄が慕うと言っていたからにはよっぽどの人だとは思っていた。
ただ、初めてボスを見た時、兄がついていこうと決めた理由が何となくわかった。
ボンゴレ9代目のご子息だからとかそういうことではない、言葉では言い表せない何かがボスにはあった。
その何かというものが兄の言っていた”怒り”なのかは今の私にはまだわからないけれど、これから知っていきたいと思う。
昨日と同じようにして、手の甲へと口付けを落とす私を見るボスはどこか満足げに笑っている気がした。
今日貰った通達書は、額縁に入れて飾っておこうか。
そんな事を考えながら私は、部屋を後にするボスの後ろを追いかけた。
�爛好撻襯咫�Aをヴァリアー幹部一同の第一補佐に任命する��
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作者名：まいたけ | 作成日時：2023年6月15日 18時
