6話 ページ8
閉館を告げるアナウンスが響き渡った後、僕と彼女は近くのファーストフード店に入っていた。
「そういえばこうやってゆっくりお話しするのは初めてかな?」
彼女は、パンケーキとコーヒーのセットに舌鼓を打っているようだ。
嬉しそうにパンケーキを頬張る姿がリスのようで実にかわいらしい。
「そういえば、そうだね。まだ名前聞いてなかったよね?僕は美作朔野、朔野でいいよ」
緊張を表に出さないように、何とか落ち着きを保っていう。
「へぇ、朔野っていうんだ〜、始まりの野、いい名前だね!私は、八重樫恵!恵でいいよ!」
朔の字の意味わかる人、始めてあったかもしれない。
「恵か、いい名前だね!この世のは神の恵みから始まったようなものだし」
あ、しまった詩的なことを言ってしまった、痛い人と思われたかも...。
「あはは、朔野ってなかなか面白いこと言うねぇ」
神の恵みか......それで志望校受かるといいのになぁ。
そんなこと言って笑いあっていた。
引かれなくてよかった〜。
「あ、そうだ!朔野のアドレスと番号教えてよ」
恵が目をキラキラとさせて頼んできた。
「うん、いいよ!」
特に断る理由がないというか、こんなにかわいくて性格のいい子のお願いを断るわけがなく、僕は即OKをした。
「やったー!初めての家族以外の人の、アドレスと番号!」
え?初めての家族以外の人?
「恵ってもしかして友達いない人?」
こんなにフレンドリーなのに?
「そうだよ!いや〜学校だとなかなかこうはいかないものなんだ〜」
フレンドリーでも友達ができない、女子の世界って怖い、あ、あれか?容姿がいいとひがみで友達ができないようなものだろうか?
「そうなんだ〜、実は僕も友達がいなくて、恵が初めての家族以外の人なんだ」
お互い初めて同士だ!なんて言いながら赤外線交換をした。
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作者名:モトハ | 作者ホームページ:
作成日時:2015年1月24日 18時