【派生作品】さよなら前世またきて来世(修正中) (ページ9)

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「お前はどうして敵育成高校(ここ)に来たのさ」

2者面談で机を間に挟んで目の前に座る蒼壁先生にそう聞かれた。相も変わらず突拍子も無い発言だ。数年前に初めて会った時から何一つ変わっていない。
胡散臭く貼り付けたような笑みを浮かべ、その紅梅色の瞳はしっかりと僕を捉えていた。
どこか品定めするような先生のその視線の運び方は、どこか父の姿を彷彿とさせた。

……なんでか……なんで敵になったんだろうか…。
…改めて言われると自分でも分からない。家系が家系だったから、としか言いようが無いと思う。

ここに入学したのだって父親からの強制であって、僕が志願した訳でもない。
……狛ちゃん程じゃないが僕も結構受動的な人間なんだなぁとしみじみ思う。いや、受動的と言ってももこれは父母に対してだけさ。ちゃんと僕は僕の意思を持っている。
…両親は偉大と言うだろう？……逆らうわけにはいかないんだ。

「…父親から行けと言われたから入学したまでだ」

簡潔にそう答えると蒼壁先生は笑みを崩し、少し眉を顰めた。この回答の何が彼の癪に障ったんだろうか…。「…お前の意思は無いんだね」と返され、頷くとまた更に顰めっ面になる。

「あははっ、眉間に皺を寄せるのはやめたまえ！」

皺くちゃになるぞ〜★と席を立ち、向かい側に座る蒼壁先生の両頬を引っ張る。ただでさえ先生は表情筋が固いのに！

蒼壁先生は「余計なお世話だよ」と僕の手を叩く。かなり痛かったぞ…手加減もての文字も無いのか……だからモテないんだぞ★

「これで質問は終わりかい？
…なら次は僕から聞かせてもらおうか」

…先生はどうして敵になったんだ？