ブラック本丸産の刀剣女士 (ページ45)

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44話ページ45

～雪一文字side～

ギシギシ

ギシギシ

誰かが廊下を歩く音で目が覚めた。

雪「んぅ…？ここどこ…？」

その問に答えてくれるものはおらず、

ギシギシ

段々近づいてくる足音が部屋の前で止まり、襖が叩かれる音がする。

トントン

雪「誰？」

問いかけても返事は帰ってこない。

仕方ないから襖まで這っていき、開けることにする。

スッ

パッと顔を上げるとそこには薬研兄さんがいた。

薬「雪！！！逃げるぞ！！！」

雪「えっ！？」

薬研兄さんはボクを見ると手を掴んで走り出した。

雪「ちょ、薬研兄さん！？」

短刀だからかすごいスピードで走る薬研兄さんに対してボクの足は鉛のように重たくてうまく動かない。

乱「雪ねぇ大丈夫？」

気づけば隣を乱が走っていた。

乱「薬研！あそこら辺に隠れようよ！！」

薬「わかった！そうしよう！」

乱が指さしたところは長い草が生えていて身を潜めるのにはうってつけだ。

雪「ねぇ、何から逃げてるの？｣

薬「何言ってるんだ？もちろん〇〇からだ！」

雪「え、今なんて…？」

乱「しっ！静かにして！！」

言われるがままに押し黙る。

薬「俺っちと乱で向こうを見てくるから雪はここにいてくれ」

雪「う…うん。」

なんだかよくわからないまま頷く。

周りを警戒しながら薬研兄さんと乱が出ていく。

急に心細くなって小さく縮こまる。

ガサッ

雪「！？」

誰かと目が合ったような気がした。