32話 ページ33
〜鶯丸side〜
雪「あ…。」
遠征から帰ってきて少し遅めの朝餉の時間。
昨日騒動があったらしい刀剣女士とやらが隣にいる。
雪「う…ん…。」
彼女は今困ったような顔ですぷーんを握っていた。
彼女の前にはお粥の様なものが置いてある。
すぷーんで掬って食べればいいのだが、食事をしたことの無い彼女はそれすらも難しいようだった。
鶯「大丈夫か?」
先程まで面倒を見ていたのは鶴丸だった様だが主に呼ばれて行ってしまった。
雪「あ…えと…ごめんなさい。」
鶯「いや、謝ることじゃない。」
悲しげに下を向いてしまう。
俺はもうほとんど食べ終わってしまったのに彼女の器の中身はほとんど減っていない…。
鶯「さ、こっちに来い」
雪「え?わっ…!」
問答無用で抱き上げ膝の上に下ろす。
雪「え?えと?その…?」
困惑している彼女の前に食器を持ってくる。
鶯「いきなり1人でやるのは難しいからな。」
雪「……ありがとうございます…!」
可愛いな…
小さい彼女は今、俺の胸のあたりに頭がある。
くりんと顔を上に向けて笑った彼女は可愛らしくて、妹ができたような気分だった。
鶯「はい。」
目の前にお粥を掬ったすぷーんを見せるとぱくりと食べる。
鶯「どうだ?」
う〜んと難しい顔をする。
雪「不思議な感じ…。」
鶯「暖かい気持ちになったか?」
雪「はい!とっても!!」
鶯「なら良い。」
また掬えばぱくりと食べる。
どうやら美味しかったようだ。
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作者名:綺衣 | 作成日時:2017年6月27日 21時