ピーターパンシンドローム【緑】

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智洋『シゲ！』

大毅『あ、神ちゃん』

智洋『なにしとんねん』






笑ってそう問いかけると『えへへへ』とにこにこ笑うシゲ。






智洋『楽しかった？』

大毅『おん！でもなんかあの人は楽しくなさそうやった』






そう言ってシゲが上級生を見ていたのをはっきりと覚えてる。

シゲはシゲなりにやってたみたいやけど上手くいかんみたいやった。






智洋『ほかんとこ行こか』

大毅『ん』






俺はサッカーボールをもつシゲの手を引いて歩き出した。






智洋『ほら、先輩にボール返して』

大毅『...ん』






『ありがとう、またいつでも来てな』

智洋『こちらこそありがとうございました』

大毅『神ちゃん早く行こーよー』

智洋『お前も挨拶しろっ』

大毅『あっ、いやや神ちゃんいたいっ、』






嫌がるシゲの頭を無理やり下げてサッカー部を離れた。





去り際に






『...二度と来んなカス』

『おいっ！』






なんて会話が聞こえた。

それはきっとシゲにも聞こえてる。






大毅『次どこ？』

智洋『んー、どこがええかなぁ』






なんて。

笑って会話をしてるけど、きっとシゲは傷ついてる。






智洋『シゲ、そんな無理に笑顔にならんでいいって』

大毅『...ん』






そう言うとシゲはやっぱり、少し悲しそうな顔をした。




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