ピーターパンシンドローム【緑】

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『どう？楽しい？』

智洋『はい！』






サッカーは遊びとかでしかやったことなかったけど楽しかった。

俺の笑顔を見た上級生が嬉しそうに聞いてきた。






『入部する！？』

智洋『あ、えっとシゲが...』

『シゲ？』






そうや、シゲのこと忘れてた。

ちらっと辺りを見回すけどシゲが見当たらない。






智洋『え、シゲどこ...？』

『シゲってもしかして一緒に来てた子？』

智洋『あ、はい...』

『どこいった？』






そんな会話をしていると、別の上級生がダルそうな顔をしてやってきた。






『なぁ、もう俺あいつ手に負えへんねんけど！！』

智洋『あっ...』






その人が指を指す先にはシゲの姿があった。

遠くでボールを頭の上に乗せてバランスを取って遊んでいる。






『やってって言ったことなんもやらへんし聞かへんし！』

智洋『す、すみません...』

『あんなやつ絶対入って欲しくないわ』

智洋『っ...』






でた。

シゲのこと悪く言うやつ。

絶対にいると思った。






『どうしたん？』と俺に付いてくれていた上級生が声をかけてきた。

きっと俺は嫌な顔をしていたのだろう。






智洋『なんでもないです、失礼します』

『あ、ちょっと！』






俺は笑顔で言い放ちシゲのところへと駆け寄った。




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