ピーターパンシンドローム【緑】

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『うわ、なんや！』

大毅『神ちゃん、いじめたらあかんのっ、』

智洋『え、シゲ？』




声の主はなんとシゲ。

俺の胸ぐらを掴む上級生に飛びついて一生懸命に止めようとしていた。




大毅『あかんのっ、あかんのっ、！』

『やめろ、離せって！』




上級生の手は俺を離れシゲに。

俺はその反動で尻もちをついた。




酷いことを言ってシゲを泣かせたのに。

シゲの手を振り払って突き放したのに。




上級生よりも明らかに小さい体で、俺のことを助けようとしてくれた。




智洋『シゲ...』

大毅『うわぁぁぁあ！！』

『わかった、わかったから！泣くなって！！』




焦る上級生を無視してシゲは泣いて喚いてを続ける。

その声を聞いてやって来た先生達がシゲを引き剥がした。




智洋『シゲ...ありがと』

大毅『うっ、かみちゃぁぁああん』

智洋『もー...』




ひと段落ついたと思えばまた喚き出して。

でもこれはさっきみたいなのではなく。




俺に抱きついてわんわんと泣いている。




智洋『ごめんな？』

大毅『うぅっ、』




シゲもきっと怖かったのだろう。

でも、そんな中で俺のことを助けてくれて。

シゲのことを嫌いだなんて思っていた自分が馬鹿みたいや。




智洋『シゲ、帰ろっか』

大毅『帰る！！！』




この日はシゲとの離れかけていた距離がぐっと縮まった。



そんな素敵な日。




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