【HQ】白 い シ ー ツ と ミ ル ク テ ィ ー 【短編集】

" Toru＿night ページ7

『う、ん…』

夜＿＿＿
さっきの疲れから眠っていると、首筋あたりに違和感を感じる。

(なに……？)


ゆっくり目を開くと、そこには…


『っ、ちょ、徹…！？』
「ん？あー、ごめんね。起こしちゃった？」
『起こしちゃった？じゃなくて…っ、ぁ』

チリッとしたこの痛みには覚えがある。
サイドランプに手を伸ばし、明かりをつけると…


『…なんでこんなとこに付けるの…』
「まぁまぁ。Aしばらく授業入ってないんでしょ？」
『でもサークルには行くのに、』
「虫除けだよ、虫除け」


(…もう……)

…なんて呆れたように見せても、心のどこかにその痕についてまんざらでもない自分がいて。



『…コンシーラーで隠す』
「ガキの頃虫除けスプレー使ったことないの？」
『は？…あるけど…？』
「スプレー振った直後にシャワー浴びる？」
『浴びないよ。効果なくなるじゃん』
「それと一緒だよ、Aがしようとしてること」
『…その例えいる？』


意味のわからない理屈に笑えば、徹はむっとした様子で、もう一度別のところに唇を押し当てる。


「お前が余計なことしようとするからでしょ」


唇が離された首筋には、さっきのとこよりももっとくっきりと痕がつけられていて…


『…もうやだ、明日休む』
「消えんの最低3日はかかるんじゃない？3日とも休むわけにもいかないでしょ」
『じゃあやっぱりコンシーラーでカバーする』
「オッケー。じゃあ寝てる間に没収しとこ」
『最低』

ぺちんと頰を叩けば、徹はおかしそうに笑って、私の頰をするりと撫でた。


「まぁ、休むのでもいいとは思うけどね。腰痛いのにサークル活動なんか集中できないでしょ」


(……誰のせい)



憎まれ口を叩きながらも、頰に触れる手が心地よくて、自然と身を任せてしまう。

＿＿＿でも。



(…なんか、むかつく)

余裕そうに微笑む徹を見てると、なんかわかんないけどイラッときて。


徹の首裏に腕を回して、ぐいっと引き寄せる。



「わ、っ」


案の定体制を崩した徹は、私の顔の横に手をついて、ギリギリのところで自分の身体を支えた。



「っぶないな…何して、……っん」





(＿＿＿仕返し)


心の中でそう呟き、私が付けられたのと同じ位置に痕をつけ返す。





「……生意気なことしやがって…」
『ほっぺた緩んでますけど』
「うるせーよ」


煽って、言い合いして、また唇が触れて




きりがないなぁ、とはお互い思いながらも

私と徹は、また戯れ合うようにベッドに身を沈めた＿＿

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