*角名倫太郎 ー 縛 ページ6
体じゅうに残る赤い痕
火照った肌と、じっとりと滲む汗。
「…わかった?俺をキレさせたらどうなるか」
薄暗い部屋の中、倫太郎はどこか妖しげに口角を上げた。
“ 俺を相手に浮気なんて、肝座ってんね。A ”
数時間前、倫太郎に言われた言葉。
彼の手には一枚の写真があって、そこには紛れもなく私と別の男子がキスをしている姿が写っていた。
弁解しようにも事実だからそれも叶わず、そのままベッドに押し倒された__という流れ。
『……ん…ッ』
「返事がないけど?」
『…』
返事の代わりに、首を横に振る。
すると倫太郎は、さらに私の首筋に噛み付いてきた。
『……ひぁ、』
「いい加減 飼われてる 自覚した方がいいと思うよ。俺が本気で手出す前に」
(…さっきの本気じゃなかったんだ)
じゃあ倫太郎の本気って相当やばいんじゃない、なんて。
あんなにひどくされたのに、私の頭の中は余裕だった。
それはきっと、倫太郎じゃない人に心が傾きかけてる証拠で___
「A」
余計なことを考えようとすると、
いつもちょうどいいタイミングで倫太郎に制される。
「お前みたいな歪んだ女、飼ってくれるのなんか俺くらいだよ」
そう言う倫太郎の指が、私の腰あたりを這う。
ぞわぞわと肌が粟立つけど、なぜかそれを “ 快感 ” としては受け入れられなかった。
(___ああ、こうなった時点でダメじゃん、私)
倫太郎にとっての私は 犬 らしい。
でも従順な犬とは程遠くて、聞き分けの悪い馬鹿な犬って感じ。
『…倫太郎は飼い主かもしれないけど』
私が口を開くと、倫太郎は動かしていた手を止めた。
『あの人なら、もっと別の形で可愛がって愛してくれると思うの』
半分本気、半分は理想。
本当に歪んでるのは倫太郎だよ、なんて言った日にはどうなるかわからないから、このレベルの言葉にとどめておく。
___そう、制御したつもりだったのに…
「…まだ分かんないんだ。
思った以上に頭悪いなお前」
冷え切った声と手。
その全てが 逃がさない と言わんばかりに私を縛り付ける。
『…しつこい男は嫌われるよ』
「聞き分けの悪い犬も嫌われるんじゃない」
嫉妬に狂ったその瞳に、
もはやいつもの余裕なんて少しも感じられなかった。
(…離れられないのかなぁ)
私はただ、女の子として扱ってほしいだけなのに
私は、倫太郎の犬になりたかったわけじゃなかったのに。
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ん?……君は誰だね!?(プロフ) - 夢主ちゃんのくずっぷりが、、、 (2020年6月20日 18時) (レス) id: c7581e2406 (このIDを非表示/違反報告)
Rena(プロフ) - 白布くんと影山に捨てられたくなるような小説でした。応援してます (2020年5月2日 1時) (レス) id: cec64ef57b (このIDを非表示/違反報告)
白並あんず - リクエストで瀬見さんやってもらいたいです…白布と影山は精神えぐられました…及川さんの話がお気に入りだったりしますw (2019年9月29日 0時) (レス) id: 110026f8f9 (このIDを非表示/違反報告)
まりも。 - リクエストで茂庭さんお願い出来ますか…? (2019年8月27日 14時) (レス) id: 6023cd4d77 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのティッシュ - リクエストお願いします!研磨とあかーしって大丈夫ですか…?よろしければお願いします。あと、応援してます!更新ファイトです(^-^ゞ (2019年8月27日 5時) (レス) id: 9aa7f700a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:は お | 作成日時:2019年8月24日 10時