ビトウィーン・ザ・シーツ* - 角名倫太郎 ページ6
「Aさ、カクテル飲まない?」
「カクテル…?」
ある日の夜__
同棲中の彼からの突然の誘いに、首を傾げる。
(…カクテルなんて、最近全然飲んでないな)
「飲みにいくの?」
「ここで作んの」
「…え?」
倫太郎は冷蔵庫の方へ向かって行くと、何かを取り出し始めた。
(…なんだろう?)
気になって近寄ってみると、そこには…
「…あ!それ、この間倫太郎が買ってきてたやつ…」
「そ」
「…そのまま飲むんだと思ってた」
「それはさすがにしないけどね」
ブランデー、ラム酒、ホワイトキュラソーにレモンジュース。
どうやら、これが倫太郎の作るカクテルの材料になるらしい。
「何か手伝った方がいい?」
「座ってていいよ。そんな手間もかからないし」
そう言って、倫太郎は手際よく作業を始めてしまった。
(…見てたいけど、邪魔になるよね。おとなしく座ってよう)
そう思い、私はリビングのソファーに腰を掛け、完成を待つことにした。
.
「…わぁ、綺麗…!」
しばらく経って完成したカクテルは、薄い黄色で、香りは見た目通りの爽やかさだった。
「これ、どうしてもアンタに飲んでほしかったんだよね」
「そうなの?」
(…それは嬉しいんだけど……)
キッチンと、倫太郎の顔を見比べる。
「…何?」
「倫太郎は?…飲まないの?」
「あー…俺は飲まなくてもその気だから」
「その…?」
(…どういうことだろう)
そう思いながらも、甘い匂いに誘われて、私はカクテルを口に含んだ。
「!おいしい…けど、強いね?」
「あー、まぁ確かに強めかもね」
お酒はもともと強い方じゃないから、これだけ強いとなおさら頭がくらくらする。
(…でも、倫太郎が作ってくれたの残せないもんね)
心の中でそう呟き、私はカクテルをどんどん口に流し込んだ__
…
「……A、目蕩けてる。酔いすぎ?」
「ん…」
しばらく経って_
アルコールのせいか、私の頭はふわふわして、顔も熱くなっていた。
「…ねぇ、倫太郎」
「ん?」
「さっきの、何のカクテル…?」
そう尋ねると、倫太郎は待ってましたと言わんばかりに口角を上げた。
(…なに……?)
倫太郎を見上げようとすると、その瞬間、倫太郎の唇が私の首筋に這う。
「っひぁ…、」
私の声に、倫太郎はふっと低く笑う。
直後____
掠れた低い声が、私の耳元に響いた。
「そんなに期待した顔してるクセに、わかんない?」
ビトウィーン・ザ・シーツ
カクテル言葉【ベッドに入って】
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李玖(プロフ) - カクテル言葉なんてあるんですね、初耳でした!やっぱ二口しか勝たん!!! (2021年4月26日 21時) (レス) id: 2cebe15e55 (このIDを非表示/違反報告)
凛々 - カクテル言葉ってカックイーですね! 私は西谷さんも良いけどツッキーが一番好きです。(リエーフとかも見てみたい)長文すみません。面白かったです!頑張ってください! (2019年8月21日 21時) (レス) id: df09ac0ca3 (このIDを非表示/違反報告)
闇黒星(プロフ) - ○○言葉みたいなのを知ってる人ってなんかあこがれますね!面白いです!これからも頑張ってください! (2019年8月11日 19時) (レス) id: be843ec937 (このIDを非表示/違反報告)
は お(プロフ) - 引きこもり桜花さん» ありがとうございます!面白いという感想がほんとうにうれしいです。激励のお言葉も頂きまして本当に感謝です! (2019年8月10日 0時) (レス) id: 80e348f75a (このIDを非表示/違反報告)
は お(プロフ) - アンズさん» そう言っていただけて嬉しいです泣 新しいやつも終わるときに惜しまれるようなクオリティを目指して頑張りますので、もしよろしければ今後も応援していただけるとうれしいです、、! (2019年8月10日 0時) (レス) id: 80e348f75a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:は お | 作成日時:2019年7月25日 10時