【ハイキュー】酔 わ せ て 【短編集】

ブランデー・ブレイザー - 牛島若利 ページ39

「珍しいね、若利がカクテル飲むなんて」
「ん…ああ」

テーブルに並んだカクテルは、普段の若利なら絶対に飲まないようなものばかり。

「若利、飲むなら日本酒だもんね」
「ああ」

相変わらず口数が少なくて、でも私にとってそれはあまり重要ではなくて。
(むしろ若利が饒舌だと違和感あるだろうなぁ)

なんて思いながら、若利の空いたグラスにカクテルを注ぐ。


「そういえばね、若利……」


私のバイトの話や、若利のバレーボールチームでの話。

私たちはお酒の勢いに任せて、普段話さないようなことなども色々話した。


.


「…んー…結構飲んだね」
「そうだな」

あれから数時間＿＿＿空の瓶が机に並ぶ。
(…私は明日が休みだからよかったけど)
「若利、明日も練習じゃなかったっけ…？」
「そうだな」
「朝から？」
「ん？ああ」

どちらかというと、私よりも若利のほうが飲んでる気がする。

「大丈夫？あ、水持ってこよっか＿＿＿」


そう言って、席を立とうとしたとき。


「待て、A」
「え、」


若利に、右腕をぐっと掴まれる。

そのままその場に座らされ、じっと見つめられて＿＿


「わ、若利？…どうかした？」
「…いや」

すると、若利はふっと口元を緩め、




「お前は可愛いな」

「…えっ」




開口直前に、若利に優しく唇を奪われる。

(……あつい)


お酒のせいか、それともこれのせいなのか、体の芯から熱く感じる。



「…ねぇ、若利」
「ん？」


好きだよ




そう言う代わりに、もう一回若利にキスを仕掛ける。

夢中になる私の頭を撫でる手が、あまりにもたくましくて



(あぁもう、ほんとに好きだ)




ブランデー・ブレイザー
カクテル言葉【心に火がついた】

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一応この2話を6日の更新分にさせていただきます。
ギガの都合。

ブルドック - 国見英→←ブルームーン - 山口忠

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