【ハイキュー】酔 わ せ て 【短編集】

エルクス・オウン - 夜久衛輔 ページ32

「夜久さんあんまり身長伸びてないんですね」
「その悪意120%の発言はなに？」

怒った時の笑顔、
でもその中に潜む優しい雰囲気と、
変わらない小さな身長。

＿＿今日は、高校時代の先輩だった夜久さんと飲みに来ている。


「AはAで変わってねーな。髪はちょっと切ったかも知んないけど、他は高校のまんま」
「女の子は高校生以降はほとんど成長は望めないんです」

(夜久さんって、最初は真面目タイプだと思ってたんだけど…意外とこういうフランクなとこあるんだよね)

それが私には心地が良くて、だから今まで絡んでこれたんだと思うけど。

「今日は夜久さんの恋愛事情を聞き出すつもりでいるので、よろしくお願いしますね」
「それ言っちゃうと口かたくなるけど大丈夫？」
「酔わせて口開かせます」
「あっそう頑張れ。じゃあ俺もお前の口開かしてやるわ」

そんな言い合いをしているうちに、どちらともなく笑い出す。

そんな居心地のいい時間に身を任せながら、私は夜久さんと飲みに耽っていった＿＿＿


.

「へぇ…夜久さんってまだショート派なんですね」
「おーよ、もちろん。広瀬すずバンザイだわ」

しばらく経って、やっぱり夜久さんは酔うのが早くて。

「ちはやふるの時長かったですよね？」
「すずちゃんは長くても短くても可愛いんだよ」
「さっきと言ってることが矛盾してて」
「じゃあもう杉咲花ちゃんだな」

(恋愛事情も簡単に言っちゃうんだから)

彼女はいなくて、
好みの女の子は自分より小さくてショートカットの子。


(……私のこれはショートなのかな？)


心のどこかで、そんなことを思う。

なんだかんだで、実は高校の時から夜久さんのことは好きだったりして。

(…ミディアムか)

髪に触れて、自嘲気味に笑う。
そもそも、こんな会話してる時点で女として見られてるかどうかも微妙。


……そんなことを考えていると


「おい、よそ事考えんなって」
「っえ、」


突然、夜久さんの手が、私の頰に触れる。
(びっくり、した)


「…なに酔ってるんですか？」


誤魔化すように言えば、夜久さんは意味深に口角を上げて＿＿＿





「酔ってるように見える？」





面倒見よくて
お母さんっぽくて、意外とフランクで


でもそれ以外に、
たまにすごい余裕を見せる。




(夜久さんって、昔からそういうとこあるんだよなぁ)


エルクス・オウン
カクテル言葉【気をそらさないで】





ほぼ世間話やんけ
ごめんなさい汗 リクエストありがとうございました!

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